1.はじめに

 ECOMIZERⓇの能力確定のため、2006年洗浄能力テストを実施しました。自社ではできなかったため、神奈川県の玉井クリーニング科学研究所に依頼し行いました。2006年といえば初めてpH13.0をつくることができ、そしてそれを希釈して使っていくことを思いついた年であります。
このテストで用いたpH12.0、pH11.5はもちろん水道水で希釈したもので、世界で最初の希釈ECOMIZERⓇテストになりました。15年ぶりに資料を見直しましたが、よく検証されていることを感じました。残念なことに商売につながらず、この資料もロッカーの中で他の多くの資料同様埋もれていました。今回こうして日の目を見ることができ、私も資料も本当に喜んでいます。当時も何一つ力を抜いていませんでした。

2.テストの目的及び方法について

 ECOMIZERⓇが既製の化学合成洗剤と能力的にどのような違いがあるかを調べました。
(1) このテストにはECOMIZERⓇ pH11.5、pH12.0、pH13.0を用いました。
(2) 経済性を考え、pH11.5を主体にテストを行いました。
(3) pH11.5をリネン洗浄方式との比較に用いました。(業務用)
(4) pH12.0、pH13.0を家庭用一般洗剤(部屋干しトップ)との比較に用いました。
(5) 汚染布は、ア 襟垢汚染布 WFK社、イ 温式汚染布(タンパク質、泥)ライオン社、ウ カーボン汚染布(煤や油脂汚れ)エンパ社のものをそれぞれ用いました
(6) 洗浄効果だけでなく生地の損傷度メカニカルアクション(MA)、外観の変化、白布の汚染度(率)も同時にテストしました。
(7) 洗浄効果率は、白布(Ro)、汚染布(Rs)、洗浄後の布(Rw)の反射率を反射率計で測し次の方法で算出しました。洗浄効果=(Rw-Rs)/(Ro-Rs)×100
(8) 白布の汚染率は、洗浄効率 =(白布の白度-洗浄布の白度)/白布の白度×100
(9) 生地の損傷度(MA)は0.5刻みで9ランクに分類され、傷みが全くないものは5級、標準は3級 に分類されています。

3.テストの結果

(1) pH11.5を用いた業務用プログラムへの挑戦
(2) 混合洗剤(液体洗剤30cc、メタケイ酸ソーダ60g、過酸化水素400cc/いずれも30リ ットル当り)を入れたものと比較。
(3) 洗濯機は東芝ASD-SX62を使用、温度は40℃、プログラムは(本洗10分、脱水3分)

4.結果について(1)(業務用)

洗剤とpH11.5のECOMIZERⓇの相性があり、洗剤量が多ければよいわけではない

5.結果について(2)(家庭用)

pH13.5は、室内干しトップと比較してもその能力は大きな差はない。
10倍に希釈したpH12.0は約80~90%の能力を有している。
すすぎが半分で済むため、全体の合理性を見る必要がある。

6.まとめとして

(1) ECOMIZERⓇ pH13.0は、市販の洗剤と比べても同等以上の効果がある。
(2) ECOMIZERⓇ pH12.0は、市販の洗剤の80~90%の能力がある。
(3) しかし、コストが合わないのでECOMIZERⓇを広く普及させることは難しい。
(4) pH11.5、30リットルに液体洗剤10ccを入れたものは、pH13.0及び市販の洗剤以上の洗浄能力を有する。これであれば、経済合理性が合うと思われる。
(5) 温度を少し高めることができれば、洗浄効果は増す。
(6) ECOMIZERⓇを用いることによって「すすぎ」が半分で済み、経済効果、環境保全力が増すと思われる。

 経済合理性だけでなく、環境のことを考えたとき、ECOMIZERⓇに利用は大きな武器になると思います。そのような思いで15年前(2006年)にテストをしたのですが、それから15年経ちますが日本でも世界でも誰も使っていません。
 私たちの努力不足もあり、市場が広がっていないことは極めて残念なことだと思います。これを世界に広げていくべきではないかと思います。 

洗浄力テスト(資料)