おはようございます。太田雄一です。第181回・農業編30「土壌②・ミミズの役割」
農業編30「土壌②・ミミズの役割」
土壌生物の中で有名なのはミミズです。通常の土地ではミミズは1㎡あたり数十匹程が生活していると言われています。線虫に至っては数百万匹程が生活しているといわれています。

ミミズはpH4.5以下では生きていくことができません。化学肥料の影響によって土壌pHが下がると彼らの生活圏はなくなるのです。

ミミズの研究で有名なのは進化論で有名なチャールズ・ダーウィンです。進化論を彼が唱えたかどうかは別として、彼は40年かけ丹念にミミズの生態を研究した学者です。

現代でもミミズの研究の第一人者でもあります。ミミズは有機物を2ミリ以下の砂と一緒に飲み込んで体内で小さくして排泄します。
これは糞塊と言われ微生物の貴重な栄養分となり、微生物の繁殖の場になっていくのです。
また、ミミズは地下にある鉱物質土壌を地表に上げ、地表の有機物を地中深く引きずりこみます。そして有機物と無機物を混合攪拌するのです。農業の耕耘そのものです。
また、ミミズは土壌内にトンネルを掘りそれによって酸素の供給を楽にしてくれています。チャールズ・ダーウィンによれば温帯の牧草地には、1ha当たりミミズが作る糞土は1年間で20〜40トンにもなります。
これを地面にならすと10年で4㎝の厚さとなります。このような仕事はミミズだけではなくアリ、コガネムシ、セミの幼虫も行なっているそうです。