1.はじめに
2013年8月4日間の予定でベトナムを訪問しました。
目的はE&Bが環境汚染防止にどれ程有益かという事を調査するためでした。
明確な能力確定をする目的で、ハノイやホーチミンという大都市ではなくヴィンという地方都市でテストを行いました。
ヴィン市は市政58年、人口約50万人程の地方都市でホーチミン氏の生誕の地としても有名です。
あのベトナム戦争当時、北ベトナム軍の補給の中心地であったため、アメリカ軍の空爆により毎日多くの死者を出し、市の80%が焼けてしまったそうです。
私たちはハノイ政府の指示でこのヴィン市でのテストに入りました。
ベトナムでも有名な地であり、ここでの成功はベトナム全域にその影響が波及すると考えられたからです。
2.経済発展に伴う環境破壊
ベトナムにおいて急速に進む社会経済発展はさまざまな環境負荷を生み出しており、水質汚濁も人体への影響が懸念されるほど深刻さを増しています。
水質汚染の原因としては、ヴィンのような地方都市においては屠畜、織物染色等による排水の河川への放出が主となっています。
ベトナムの排水の95%が未処理のまま排出されており、ベトナム環境基準を尊守しているのは4.26%に留まっているという現実があります。
ヴィン市には3ヶ所の屠畜場があり、1日に150頭(1ヶ所当り)の牛と豚の屠畜、解体作業が行われています。
しかし、屠畜場からの排水による悪臭は極めて強く、私たちが訪問した当時住民の反対運動により1日10頭/か所の屠畜より許可されていない状況でした。次の写真をご覧下さい。
今回私達がベトナムによばれたのはこのヴィン市の屠畜排水の消臭化プログラムのためでした。
3.屠畜排水の消臭プログラムについて
(1) 先に述べた通り屠畜排水は血液、脂肪、糞尿等が混じっており、それが一度貯水槽に貯められ( 5m × 5m × 8m )その後地中に染み込ませるという方法をとっています。
ベトナム特有の暑さと高い湿度によって、その腐敗集が強烈な臭いを周辺にまき散らしている状況です。
これまで次亜塩素酸水や微生物(EM菌)などを用い対応を図ってきたのですが、消臭に時間がかかる事(2週間)、また効果が安定しない事などにより余り有効に活用さていない状況です。
(2) 私たちはここで屠畜排水の10ℓがバケツで持ち込まれ、これを消臭してほしいと目の前につき出されました。
私たちにとっても、これは初めての経験でしたが、ECOMIZERⓇ (pH13.0)を10ℓ用意し、このバケツに投入していきました。
約5ℓ入れたところで臭いが消え始め7ℓ入れたところで完全に臭いが消えました。
今まで何をやっても消す事が出来なかった悪臭を3秒で消臭したという事で何やら英雄のような扱いをされました。
(3) この事がヴィン市の方に伝わり、急遽説明会が市庁舎で行われる事となりました。
マスコミや軍、病院関係者含む約100名の人たちが集められる事となりました。
4.消臭プロセスについて。
(1) 腐敗臭の原因は脂肪酸イオン、酢酸イオンです。
これらは脂肪やタンパク質を微生物が分解する時につくられます。
(2) ECOMIZERⓇには安定した殺菌能力があります。
殺菌効果テスト
対 象:生成水
保存温度:20℃
<10:検出せず
*菌液添加後の対象の生菌数を測定し、開始時間とした。
(3) ECOMIZERⓇは脂肪酸イオン、酢酸イオンを鹸化します。
(4) ECOMIZERⓇはタンパク質、脂肪を分解します。
そうして微生物の栄養源を減じます。
こうした作業を一瞬で同時に行う為、極めて短時間で消臭が可能となります。
(5) CODとBOD(日本での基準は150ppmです。)
5.現状の取組み
(1) 他社および他の技術では2週間もかかる消臭を約3秒で行った事。そして、その効果は安定的で継続しているためベトナム政府(地方政府ネアン省)の信用には絶大なものがあります。
(2) 私達がヴィン市に行く時は必ず省庁(県知事)や市長などが出迎えてくれます。
(3) ベトナム政府の好意でヴィン市郊外に40年間の契約で土地を借り、そこに資本金1000万円の合弁企業をつくっています。
JWSテクニカベトナムという社名であり、現在GER専務理事である荒木秀行が社長を務めています。
土地を国から借りるのに通常約2年申請に時間がかかります。
しかし、一日も早くこの技術を手に入れたいというベトナム側の意向があり約3か月で全ての許可を得る事ができました。その他工場(約500㎡)を新設し、会社を設立して今に至っています。
(4) このコロナ禍の問題が終結すれば一気に展開する予定です。
ベトナムでは、医療分野でも私たちの技術を使用しようとしています。