はじめに
E&Bを用いて農薬を除去出来るか否かを良く聞かれる事があります。
もし、E&BすなわちECOMIZERⓇ、またはBiomizerⓇで除去できるとなると、私たちの回りの安全が大きく変わっていく事が考えられます。
ここではECOMIZERⓇとBiomizerⓇを用いて実際の農薬を除去出来るか否かを実験室レベルでテストを行うのと同時に実際の現場でのテストを行い、その両者から結論を出していこうと考えています。
2. テスト要領について
(1) 検体
BiomizerⓇ pH2.5 ORP 1150mv 残留塩素 20ppm
ECOMIZERⓇ pH12.0
(pH13.0を10倍希釈したものを使用)
(2) 対象物
有機リン化合物 ジメチル -2.2-ジクロルビニル
フォスフェート〔(CH3O)2P = OOCH = CCl2〕 を使用。
これは商品名ジクロルボス(CAS NO:62-73-3)といい
一般的なDDVP※です。
この有機リン化合物は殺虫剤や農薬等に多く用いられており、DDVPは人体に強い毒性を示しています。
一応禁止されていますが、現在も幅広く使用されています。
※有機リン化合物の殺虫剤で、農薬として開発され日本を含む各国で広く用いられていたが、日本では2012年4月で農薬登録は失効し、家庭用殺虫剤や防疫用乳剤として使用されている。
(3) 試験要領
ア. DDVPを純水に溶解させ9.87mg/ℓ(ppm)の標準液をつくる。
イ. DDVP標準液500mlにBiomizerⓇを500mlを加え軽く振とうし24時間放置した。
ウ. DDVP標準液500mlにECOMIZERⓇを100mlを加え軽く振とうし1時間放置した。
(4) 評価装置
ア. 全有機炭素定量装置(TOC2000)
イ. DDVPの分析装置 ガスクロマトグラフ(GC/MS:Gas Chromatograph/ JMS-K9)
/ 質量分析装置を使用した。(検出下限値は0.005㎎/ℓ(ppm)である。)
3. テスト結果について
(1) GC/MS装置を用いた分析結果について
(2) 全有機炭素測定(TOC)装置を用いた分析結果について
4. 評価について
(1) BiomizerⓇ
ア. ここではテストデータは示さないが24時間後のTOCは50%、1時間後は40%を示す。
これはBiomizerⓇとDDVPが接触すると徐々に分解し有機リン系農薬のホスホリル基(P=O)はBiomizerⓇのHClO(次亜塩素酸)によって酸化分解されていると考えられる。
イ. トータルイオンクロマトグラムでの確認の結果は反応後24時間後99.4~99.5%のDDVPを分解している。
(2) ECOMIZERⓇ
ア. トータルイオンクロマトグラムでの確認の結果は反応後1時間で分解装置の検出限界以下を示した。
要するにDDVPは完全に分解(加水分解)していると思われる。
イ. TOC分析ではTOCは全く変化がない事からDDVPは分解、消滅(100%)するが無機化していない事がわかる。
5.テスト結果について
(1) このような結果となり、結論から言いますとBiomizerⓇでもECOMIZERⓇでもDDVPは分解すると言って良いと思います。
(2) BiomizerⓇは24時間で99.4~99.5%分解出来る事、DDVPの50%が無機化される事がわかりました。
(3) ECOMIZERⓇ(pH12.0)はBiomizerⓇの1/5の量で1時間後には100%分解する事がわかりました。
ただしDDVPは全く無機化されていません。
(この部分の解明は別の機会としたいと思います。)
こうした事からもECOMIZERⓇによるDDVPの分解除去の方がBiomizerⓇより効果が高いと考えられます。こうした実験室での成果確認したものと日本の青森県で行った66項目のリンゴを対象としたテスト結果が同じである事がわかります。
表1にその結果を示します。
又、参考までに表2としてリンゴの農薬散布表を示します。
ECOMIZERⓇ(pH12.0)を散布されたリンゴは確実に農薬残留量が安全基準値以下である事がわかります。