おはようございます。太田雄一です。第175回・農業編24「松がれ病・梢枯れと松脂」(追加版)
農業編24「松がれ病・梢枯れと松脂」
私は松の倒木とさび病のメカニズムは同じものではないかと考えました。降ってくる硫酸の雨が影響しているのではないかと思ったのです。
松の枝の部分は葉の根元が束ねられているので水分を大量に保有します。松のような常緑針葉樹は年間を通じて空から降ってくる汚染物や大気として霧として包み込む水分に含まれる様々な汚染物(硫酸だけではありません。)を蓄積します。(その為、冬季に葉のない落葉広葉樹よりその分被害が大きいのです。)

さび病と同じように地中のアルミニウムイオンは、降ってくる硫酸と反応し硫酸アルミニウムを作ります。その後この化合物はリン酸と一緒になりリン酸アルミニウムという化合物を作ります。

その時放り出された硫酸イオンは水に溶け松の木の先端にたまることになります。これによって梢枯れ(こずえがれ)を起こします。次に松の木を伐り風乾減量を測ります。(松材を切り取った時の重量と乾燥後の重さの差を言います。)
高さが3メートル以下の風乾重量は15%以下であり余り大きな差は示しません。松脂は常温では揮発量が少ないために風乾減量が少ないのです。ところが6メートル以上の松の木の風乾減量は50%以上なのです。半分は空洞になります。
これはリン酸アルミニウムが生成されリン酸の機能が停止すると当然のように松脂の生成が止まることとなります。そうなると松の内部がスカスカになり松くい虫が中に入り込み、松くい虫が大発生することとなるのです。