おはようございます。太田雄一です。第177回・農業編26「松がれ病・硫酸とリン酸不足」(修正176→177)
農業編26「松がれ病・硫酸とリン酸不足」
化石燃料の燃焼は二酸化炭素だけではなく、その排出量に比例して硫黄酸化物も排出します。
硫黄酸化物はその安定型の硫酸となり大気中に蓄積されています。そして雨や雪となり地表に落ちてくることとなるのです。
硫酸イオンはグリーンランドの1785年の氷の中で測定されていますので、240年もの長い間の硫黄酸化物が大気中に存在していると言ってよいと思います。

風の中に存在する硫酸は風が通過する量に比例して樹木全体に付着し雨によって地表に落とされます。

そして、この硫酸は土壌を溶かし、鉄やアルミニウムと言った金属元素を溶かし硫黄酸化物を作ります。(硫酸アルミニウムのような)


この硫黄酸化物が再度リン酸と結合して不溶性のリン酸化合物を作ります。(リン酸アルミニウムやリン化鉄のような)このリン酸化合物は結合性が強くその溶解度は100gの水に9〜10gしか溶けません。ほとんど溶けないのです。

水に溶けないものは運べませんので、そうなると樹木自体が慢性的なリン酸不足となり衰退し始める事となるのです。
松はリン酸が不足し衰退すると防虫効果のある松脂(まつやに)が作れなくなります。
