おはようございます。太田雄一です。第119回
「メキシコで大統領と直接打ち合わせ!?」
この時点で次の政権は極左のロペス・オブラドール氏になるであろうとされていたので、この政権の農林水産大臣ビクトル・ビリャロボス氏に焦点を当てることとしました。彼は大臣就任前には何度も我々の実験農場に足を運び、この技術の将来性について大きな期待を抱いていたと思います。
2018年12月この政権が正式に動き出し、メキシコ最大の農業大学チャピンゴ農業大学もこのプロジェクトに入ることとなりました。
また、この大学の名誉教授で中米一の農学者であるアンヘル・モンテール博士もこのプロジェクトに自発的に入ってこられ、オール・メキシコという形でスタートしたのです。そして、アボカドの実験もうまく進み、多くの農家も新たに契約をすることとなり、そうした結果を持って、大統領と直接打ち合わせをする日程も2020年3月に決まりました。
こうして本格的に進んでいこうとした時に2つの問題が生じました。一つはコロナの問題です。ワクチンを打っていない私は日本から出ることもメキシコに入ることもできなくなり、当然2020年の会議には出れなくなったこと。
そして、メキシコ政府もコロナの対応で時間が無くなったことが一つ。二つ目は麻薬業者の畑が土地の劣化で計画通りのアボカドが取れなくなり、私たちと契約していた農家まで手を広げてきたこと。彼らの言うことを聞かないと見せしめで家族全員が殺されるなどの事件が生じてきたことなどです。