おはようございます。太田雄一です。第184回・農業編33「土壌⑤・腐植の種類」
農業編33「土壌⑤・腐植の種類」
腐植はその分解の程度により粗腐植(モル)と完全に腐植化が進み粘土状になった腐植質(ムル)に分けられます。
腐植質(ムル)の色は黒色で砂やシルトを囲みこむような状態で存在していますが、まだ完全に分解されたものではないために電気的には極めて不安定でありマイナスの電荷とプラスの電荷が交互に出来上がっており、これにより多くのイオンを引き寄せることができるようになっているのです。
下図をご覧ください。これはあくまでも想像図(イメージ図)ですがシルトで囲まれた空間には水が溜まっています。この隙間は一般的に孔隙(こうげき)と呼ばれています。

そしてその中の水には、カルシウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、亜鉛、鉄、バナジウム、ニッケル、銅、チタン等のプラスイオンや硫酸、硝酸、炭酸、リン酸、塩素、フッ素等のマイナスイオンが豊富に存在しており、それらの水は所謂ミネラルイオンスープと言われるものであると考えてよいと思います。
土壌は粘土のように隙間がないものやシルトのように空間を作るものにより複雑に入りこんだ構造をしています。そして水は常にこの土壌内を激しく行き来していると言ってよいでしょう。

あるときは水がいっぱいになり、また、あるときは一見カラカラな状態になるときはあったとしても絶妙にバランスがとられていると言ってよいと思います。