おはようございます。太田雄一です。第264回・再始動編57「大きな逆風が吹く」
再始動編57「大きな逆風が吹く」
そんなことをしているうちに、突然「日本テレビ」が今日の出来事という番組で電解水なるものを大々的に放映することとなりました。タイトルは「驚異の水、奇跡の水」です。食品、医療、農業の三部編でキャスターは櫻井よしこさんでした。今から33年前の1992年 (平成4年)の事でした。

塩野義製薬やTDK等はちょうど臨床データをとっていたころのことで関係者はみな驚きました。まだ何もわからないような時代、これからどうするかと真剣に皆考えていた時代の事です。
私は塩野義製薬の仕事が一段落し、メンテナンスネットワークの構築が終わり、セブンイレブンの仕事に特化していた時の事です。正直言ってこの番組を見た時、私は嫌な気持ちになったことを覚えています。
すぐに塩野社長から招集がかかり高橋君と二人で大阪へ向かいました、私たちはその時何か出来る状態ではありませんでしたが、この「驚異の水、奇跡の水」が私たちの仕事の中で追い風になるか大きな逆風になるかと言うことがテーマであったように覚えています。
塩野社長、高橋君、そして私もこれは大きな逆風であるとの認識を共有することとなったのです。その時代の電解水(エレキテル)には大きな問題点がいくつもあったのです。

後に自衛隊ルワンダ派遣部隊から指摘された欠点は何一つ解決されず、まだよちよち歩きの赤ちゃん状態だったと思います。
そんな中でもセンセーショナルな発表は大きな迷惑であったように私は感じました。このフィーバーは3年〜4年ほど続きました。
電解のことなど何もわからない企業が作る電解装置、癌が治る、糖尿病が治るとの過大広告で売るマルチ屋さん等の登場により、このマーケットはガタガタと音を出しながら崩れていったのです。