おはようございます。太田雄一です。第283回・再始動編76「2003年・84時間の奇跡」
再始動編76「2003年・84時間の奇跡」
何が悪かったかはテストを始めてから30時間がたったころわかりました。
それまでは色々な試行錯誤とテストを繰り返しました。そんなことを行なう上でこの装置の癖や利点、欠点がよく見えるようになっていったのです。
電解しない原因は電解隔膜が覚醒していなかったと言うことであり実際にはそれほど難しいトラブルではありませんでした。
しかし、私たちにとっては後がないためにこれから一体どうなるのかと不安でいっぱいの84時間だったのです。

こうした作業の中で見出したことが一つあります。この方式を取れば純水でも電気を流すことが出来ると言うことです。
多くの人はそんな馬鹿なイオンも無い中どうして電気が流れるのだと言うと思いますが、実際には電気は流れます。
この一連の作業の中で今までの常識を覆すような発見をいくつかしました。84時間一睡もせずに取り組んだ意味があったのではないかと思います。
純水に電気を通す事は現在普通に行っておりますが、この時は正直驚きました。
何もなく簡単に動いたならばわからなかったことがよくわかり、それ以降の技術改良のために大いに役に立ったと言えると思います。


