おはようございます。太田雄一です。第247回・再始動編40「町の電気屋さん」

現場に派遣した技術者の仕事は2つ。一つは装置を確実に取り付けること。もう一つは各県に私たちの仲間を作ることでした。仲間とは「町の電気屋さん」でした。

「町の電気屋さん」は皆、各地に出来上がる電気のデスカウントショップの出現に困っていた時代です。

電気製品が売れず生活にも困っていました。ですから多くの電気屋さんは建設現場の電気工事に出向いて行っていたのです。彼らの多くは電気工事の免許を持っています。そして様々な工事をいとも簡単にこなす技量もありました。

何よりも大きな財産は信用でした。「町の電気屋さん」としての地域住民に対する信用です。こうした信用のネットワークを全国に作っていこうというのが高橋君との次のプロジェクトとなったのです。

「町の電気屋さん」の信用のネットワークを全国に作っていこう

そんなこんなで当初からこの仕事はお金がかかりました。塩野義製薬からいただいた準備金が本当にありがたく思いました。(後で知ったのですがこのお金は塩野社長のポケットマネーでした。)

しかし、この半年だけで人件費も含め2000万円程度が出費されていったのです。当然、取り付け等の工事費は入ってきたのですが最終的に収支はトントンだったのです。

それでも、塩野義製薬と契約書を交わしたという現実はとんでもない信用を我々に与えてくれました。三菱と東電とシオノギという味方は本当に強いですよ。