おはようございます。太田雄一です。第138回

営業編7「スピードとハッタリ」

対面である商品を販売しようとすると販売能力というものが必要であるという事。

そして、その能力は才能のようなものがあるのではないかということ。これが私の妻や娘を見て感じたことです。

また、一つの物を市場に乗せるにはしっかりとした作戦、すなわち戦術が必要ではないかと言うこと。こうしたこともせず単に運を天に任せるようなものでは成功しないのだと言うことが出来ます。

そういった意味で私は良い経験をしたのだと思います。この他に私は高橋大朗君と一緒に仕事をしてもう一つ得ることがありました。それは「スピード」であり、ある意味言葉は悪いが「ハッタリ」でした。

高橋大朗くんに「スピード」と「ハッタリ」を学ぶ

高橋君と仕事を始めるにあたって何をやるのかが明確に固まっていませんでした。何もなかったのです。無からのスタートとはこういうことだったと思うのです。

そのため、市場調査にまず最初入りました。市場調査というとかっこよく聞こえますが、ただ何か面白いことがないかと街中をひたすら歩くだけでした。そうすると円筒形の直径が1メートル、高さが2メートルぐらいの筒が家の横に立っているのに気が付きました。

あれは何だと高橋君は私に聞くのですが私も答えられずにいるとすぐさまその家のチャイムをピンポン、出てきたその家の主に色々尋ねるとあれは電気温水器というものだと教えてもらいました。

もっと知りたければすぐそこの東京電力生田出張所に行って聞いてくれと言うことだったので、二人ですぐさまその生田出張所に向かいました。

その出張所の所長は懇切丁寧に機械の内容を教えてくれ、もし今2台買えば東京電力の指定店の資格を出すといわれたのです。

私たちは電気温水器が何者かもはっきりわからないままその場で2台購入し、めでたく東京指定店の認可を受けることになりました。あれは何だと言ってから2時間も経っていない出来事でした。

初日から警視庁の警察官上がりの高橋君感の良さスピードに圧倒される事となりました。

高橋大朗氏の著書(2000年)