おはようございます。太田雄一です。第136回
営業編5「日本市場を開拓した戦術」
マレーシアを含め東南アジアの製品を日本市場で商品にするのは並大抵ではありません。
先に述べた博報堂出身の総支配人はこのような手法をとっていました。マレーシアの製品をブランド化するという方法です。
その為、有楽町駅の前のビルにショールームを作りそこをショールーム兼営業の拠点としました。
次に市場をどこに置くかということです。マレーシアの製品はヨーロッパに出せる位の商品レベルであったこと。そして価格が安いこと。次に日本では珍しい商品だったことの3点を商品のメリットと彼は考えました。
・マレーシア製品の特徴・メリット
①商品レベルが高い
②価格が安い
③日本では珍しい
そして、それを一個一個売っていくのではなく一度に大量に出していくことを考えたのです。
彼が考えたのは会社の創立記念品や何らかの行事の贈り物(ノベルティー)として使ってもらうと言うことでした。
彼は出来るだけ大手の企業のリストを作成し、マレーシアの首相(当時はマハテール首相)の推薦状を持って切り口を開くこと。その目的の為に大手デパートの外商のルートを開拓することでした。
私が入社した時にはこうした準備が既にできており、私はそういった企業の担当者(課長クラス)を懐柔する為に夜な夜な銀座に連れ出すことを仕事として与えられたのです。
総支配人はもっと高いクラスの人、例えば政府や経済界の要人をマレーシアやシンガポールで接待するというように役割を明確に分けて懐柔を図ったのです。