おはようございます。太田雄一です。第101回
宗教観2「キリスト教への憧れと研究」
私は原則無信教です。子供たち4人も無信教です。何も強制したわけでもなんでもありません。宗教は個人の問題ですので私は子供たちの宗教観に一切触れませんし、触れませんでした。
私が育ったのは北海道の函館という町です。そこにはたくさんの教会が立っています。高校のすぐ近くにはハリストス正教会、カトリック教会、そして、少し離れたところにはトラピスチヌ修道院、トラピスト修道院等がありました。

そのため、何かキリスト教に対してはあこがれのようなものがあったと言ってよいでしょう。その故郷を18歳で離れ、その後自衛隊の学校に入ったり、その学校を3ヶ月で追い出されたり、アメリカに免許を取るため行かされたり、帰ってきて船に乗るための教育を受けなければならなかったりで2年間は正直自分の為に何もできない状況でした。
その後少し余裕が出来たので大学通信教育を始めたのですが、その時キリスト教とは何かを調べてみようと考え西洋史学を取ることとしました。ちょうど遠藤周作の「沈黙」が出ており、クリストファン・フェレイラ(沢野忠庵)の人生について本気で考えました。

彼を通じてキリスト教とは何なのかを探ってみようと考えたのです。しかし、船の中で勉強をするということはなかなか難しく思ったように勉強が進みません。一つには不規則な勤務体制、様々なストレス。(最も大きなストレスは気分転換ができないことです。その為、対人関係も上手くいきません。)等がありました。
当時の船はテレビも見えないし、新聞はないし、スマホもないし唯一の娯楽は毎週上映される映画(寅さんのような娯楽映画)ぐらいです。それも勤務時間と重なると見れないこともあります。
しかし、時間は十分にあるのです。自分の8時間の勤務が終わると4時間の自由時間が与えられます。永遠にこの繰り返しが続くのです。その中で私は計画をたてました。作戦といった方が良いのかもしれませんが、まず4年で大学を卒業する方法。
自衛隊の幹部になるための試験に受かること、そのための試験対策(大卒もしくは大学卒業見込みでないと受験は出来ません。)、3つ目はキリスト教の真理を探る研究を両立するための作戦です。
【船の中で学ぶための作戦】
①自衛隊幹部になる試験に受かる
②大学卒業資格を取る
③キリスト教の真理の研究
この船は特殊な船で私の持っている免許がないと運用できません。その為、転勤はありません。また、船の中での生活は3月後半から11月のなかばまでの8ヶ半、その他、整備作業があり、そこに2ヶ月取られるのですがその他は休みです。
その休みの期間を利用して東京のスクーリング(指定された会場で授業を受けること)に参加するという方法をとりました。そこでまとめて試験を受け一般の単位を取るというようにしたのです。方針が決まると後はそれを丁寧に追いかけるだけです。
そして、卒論のテーマを「パウロ神学の問題点」とし、ポイントを定めて、絞り込んでいくという方法を取りました。まずは新約聖書を東京の書店で買ってきて船の中で常に読んでいました。自衛隊の船の中で毎日聖書を読みました。
自衛隊と新約聖書は全く似つかわしくありませんよね。・・・