おはようございます。太田雄一です。第93回
「電解電子機能水の歴史」
「電解電子機能水」の歴史は先に述べたように長く250年以上の歴史を持っています。この技術はElektericiteitと呼ばれ長く発音しにくいので日本ではエレキテルと呼ばれています。
日本だけの技術であり海外には全くありません。この技術には平賀源内や佐久間象山という有名な化学者が関わっており彼らの貢献も無視することはできませんが、最も貢献されたのは諏訪方季氏だと思います。
彼はこの分野に電気分解方式を持ち込んだ人で、今から約100年も前のことです。電気分解で電子を造り、それを水の中に蓄えておくという技術です。凄い発想力ですね。
一方、電子を作り一気に患部へ送り込み治療するという方式(電気をためるという方式ではありませんが)の装置があります。諏訪方季氏の考え方ではなく従来のエレキテルの考え方だと思います。それは今でも製造され電子チャージャーという名前で海外にも販売もされています。その会社は熊本県の山鹿市にある(株)JEMという会社です。
この方式も良いのですが、欠点は使用者は全員が高額な「電子チャージャー」の装置を購入しなければならないことです。また、その結果が出るまで若干時間が必要となるということだと思います。
諏訪方季氏の考案した「電気分解方式」は水に食塩を混ぜそれに電気をかけできあがった電気分解水を使用するという方式で装置も簡単で比較的安価です。
しかし、あまり効果が長持ちしない、食塩が混入しているので使用用途に制約があるなどの欠点があり、その解消には多くの時間と費用が必要となりました。
その為に水にクエン酸やカルシウム等を少量混ぜ電気分解する方式の物が開発され「アルカリイオン水」という名前で販売された事があります。
この業界には大手の家電メーカーも参入し、そうしたテレビコマーシャルを見られたことのある方も多いのではないかと思います。しかし、売り方がマルチ・レベル・マーケティング(MLM)方式が主であり製造原価がたった3.5万円程度の物を40万〜50万円で販売するなどその売り方についてはどうかと思うような物です。
現在巷で流行っている水素水製造装置なるものをある会社の依頼で過去に作ったことがあります。1万台以上販売をしましたがほとんど効果が見られませんでした。(自分でも約1年間人体実験をしましたがあまり効果を感じませんでした。)エレキテルの開発の大きな流れについては下図にあらわしておきます。参考にしていただければと思います。
アルカリイオン水は医療器具の認可を取っているという謳い文句で高い金額で販売をしていました。
医療器具の認可とは国が認めたもので癌が治る、糖尿病にはこんな効果があるというような宣伝で販売をしていました。しかし、アルカリイオン水の医療効果とは胃酸過多についての効果であり、癌や糖尿病には全く関係がないものだったのです。
その売り方があまりにもひどいし、ほとんど詐欺であったので厚生省から販売にストップがかかり、市場から消えていったのです。
そうすると、今度は水素水という名の下で全く同じものを売り出しました。先に述べたようにその名前はいろいろありますが皆同じ系統の物なのです。

分からない人は「電解電子機能水」と同じものだと思ってしまいますよね。簡単に言いますと「水素水」などは「電解電子機能水」の50,000分の1の能力しかない代物なのです。全く役には立たないとは言いませんがそんな力しかないのです。
先日、その開発を諏訪方季氏が行っていた、とのある資料を見ましたが、彼が作ろうとしたものはそんなものではないことは一目瞭然です。彼の名誉の為にもはっきりとここで申し上げておきたいと思います。