おはようございます。太田雄一です。第67回
「ベトナム事務所開設と布袋像」
ベトナムのビン市の郊外に工場と事務所を立て、出来上がったころを見計らって再度ベトナムに出かけていくことにしました。
ベトナムを紹介していただいたY氏とJETROのK氏、そして、日本ベトナム協会理事長の故F氏の3人との出張となりました。しかし、ベトナムにつくとまだ工場は水も電気も来ていない状態で工事の真っ最中の状況でした。そんな中のベトナム訪問でした。
一応様々なところへあいさつに行き、工場が立ち上がるまで営業活動に専念をしました。機械を5台先に送り込んでいたのでその設置を兼ねた訪越だったのですが、電気水道工事の遅れでその後、機械を工場に設置し稼働させるまで間に合うかどうかの突貫工事でした。
その中でベトナム人技術者の能力を見せてもらいましたが、極めて高い能力があることに気が付きました。言葉は通訳がいないと全く通じません。英語のワンツースリーが通じないのです。そんな中全て手ぶり身振り、そして、絵をかいて説明するということで何とかこちらの意思を通じさせようと懸命に努力をしました。
ベトナムの技術者はそれでもわかるのです。今まで世界(世界と言っても大したことはありませんが)を回って来てこんな経験をしたのはベトナムとイランだけです。この2カ国は特別ですね。それと忘れてはならないのはわが祖国日本です。
ベトナムが社会主義国でなかったら、そして、もしベトナム戦争に会ってなかったらとんでもない大国になっていたのではないかと思いました。アメリカが恐れるはずですよね。
日本、イラン、ベトナムこの3カ国は本当に特別だと思いました。(勿論日本はこの中でもダントツですが。)最終的には何とかこの5台の運用にまでこぎつけ次の訪問の目的と日時を決定したのち、日本へ向けベトナムを立ちました。
飛行場の待合室で飛行機の搭乗を待っているとビンの副書記長の一団がどかどかと搭乗の為の待合室に入ってくるのです。普通は絶対に入れませんよね。そこで突然のセレモニーが始まりました。
木彫りの布袋様と1.5メートルもあるような花瓶の贈呈式が始まったのです。そんな1.5メートルもあるような花瓶は飛行機には持ち込めません。ましてや国内便から国際便にハノイで乗り換えなければならないのです。
花瓶は丁重にお断りし、布袋様だけを日本に持ち帰りました。その布袋様は今も東京の事務所で私たちを守ってくださっているのです。
ベトナムはビンの本社を中心にハノイ、ホーチミン、ダナン等へ展開する布石が出来あがりました。