おはようございます。太田雄一です。第63回
「日本でのCEマーク裁判」
ここで少しベトナムから離れ、日本での裁判の話に移ろうと思います。
2008年から2023年までの15年間に計7件の裁判を受けました。私たちは1件も裁判を起こしたことがありません。裁判とはお互いに話し合いをし、それで結論が出ない場合第三者に裁定してもらうというものであろうと思います。
しかし、私たちが受けた裁判は話し合いも何もない中での裁判、そして、事実のないものに対する一方的な裁判でした。
第一回目はCEマークの取得に関する裁判でした。様々なものをEU加盟国に輸出するときにはかならずCEマークの取得が義務づけられます。これは安全基準でEUの規格に合致していないものは一切輸出が出来ないのです。
アメリカはUL、中国はCCC、韓国はKC、その他Safety等があります。この基準を取らななければならないのですが元々日本製品をEU諸国に入れない為のもので、非常に面倒で難しいのです。その為、私たちのようなそのような専門家がいない組織ではコンサルタント会社に依頼する必要があるのです。
この申請は文書に拠るもの、(設計図、回路図、基本コンセプトをあらわした書類等)とEU基準に基づいた各種テスト(電磁波の輻射、電磁波の影響、雷が落ちた後の復帰状況、過電圧、過電流等の各種安全基準)データが必要になります。私たちの装置が大きく重いため、日本国内でこのテストを行えるのは川崎市にある富士通ゼネラルの試験場だけでした。
ここで24時間7日間運転されイギリスから来た検査官によって評価されるのです。その為に約6ヶ月の期間と1000万円以上のお金が必要になります。その結果合格書がイギリスの検査機関から出されるのです。
このCEマークは非常に厳しい規格の為、このCEマークの取得を取得すればEUだけではなく東南アジア、中東、南北アメリカ諸国、中国にもそのまま輸出ができます。
そうして最初のヨーロッパ輸出が始まりました。12台の装置が船積みされノルウェーのオスロへ向け出発したのです。40日後にはオスロにつきます。
しかし、とんでもない問題がこの裏に潜んでいたのです。