おはようございます。太田雄一です。第54回
「スリランカの腎臓病の謎を追う」
現地で日本のJICAやJETROとも仲が良くなり仕事もスムーズに進むようになってきました。そうこうしていると日本のJETRO本部からスリランカのCKDについて調べてほしい旨の連絡がありました。
CKDとは(Chronic Kidney Disease)の訳で日本語で言うと慢性腎臓病となります。スリランカの人口は当時約2000万人で、そのうち約2割(約400万人)がこの病気にかかっているのです。
私たちが調査依頼を受ける前には東大、京大が現地で2年間調査し結論が出なかったとの事でした。東大や京大が結論を出せないものを私たちが本当に出せるのだろうかと思いましたが最終的には煽てられこの仕事をうけることとしました。
中国に帰っても中国のプロジェクトはすでに軌道に乗っており、私のやる仕事もないような状態でしたので少し長めにスリランカに滞在することにしました。
私が行っていたころのスリランカはまだ内戦が終わって数年しか経っておらず北部にはゲリラが出没している状態でした。その為、軍の兵士3名が小銃、サブマシンガンを持って護衛についてくれました。
毎日暑い中、村々を回り、そして、朝昼晩3食カレーを食べる生活が何日も続きます。色々聞き取りをし井戸の成分を調べるのですが原因はわかりません。
このままではだめだと思い、思い切ってゲリラが出没する北部まで足を延ばすこととしました。北部にはホテルもなく、夜は暑い中蚊帳を張り日本から持って行った蚊取り線香を焚いて農家から借りた納屋に毛布を曳いて皆で雑魚寝をするのです。
日本の蚊取り線香はスリランカの蚊にはあまり効かず、一度に3個ほどたかなくてはなりません。それと無数のハエです。そんな中、休息のため地域の庄屋さんの家で紅茶をいただきました。