おはようございます。太田雄一です。第53回

「スリランカの紅茶とベイラ湖」

国のお金はすぐに出ないのでスリランカの高僧と日本人の女性がその費用を一旦負担することとなり、私は日本へ一度帰り機械や様々なものの準備に入りました。その準備に約1か月かかり、それを持って再びスリランカに戻りました。

機械2台分の費用を一旦高層と女性が負担

スリランカではこの話は既に有名になっており、機械を取り付けている最中に経済産業大臣が見に来たり、大統領の兄の国防大臣が突然見学に来たりとその対応に追われ中々作業が進みません。

しかし、現地の人間が一生懸命やってくれたので何とか納期に間に合わせ稼働させることができました。紅茶への電解電子機能水の散布が開始され最終的には5台の生成装置を購入してもらいました。

当然紅茶の硝酸値は劇的に下がり、短い時間で1000ppm以下まで下げることに成功しました。

ヨーロッパの硝酸値の基準は2500ppm以下
5000ppmで致死量とされている

しかし、最終的にイギリスへの輸出は再開されることはありませんでした。完全にスリランカの紅茶はイギリス人の信用を失っていたこと、また、イギリスは良質の安全な紅茶をケニアに作らせていたことによるものです。

そのため、スリランカの政府の興味が急速に失われ、今度はこの技術の応用ということでコロンボ市最大の湖「べイラ湖」の洗浄に使われることとなりました。

スリランカ コロンボ市のベイラ湖

ベイラ湖はコロンボ市の代表的な市民の憩いの場でしたが、私が行った時にはアオコがすごく悪臭漂う湖でした。その湖をきれいにしてほしいということでしたが、 試験的にその一角を借り1台で運用をしました。

実際には洗浄し綺麗にはできるのですがアオコがポンプに詰まるなどいくつかの対応をしないと連続運転は出来ません。色々先程の女性や高僧に相談をし、スリランカ政府に掛け合ったところ、スリランカ政府からは日本の資金でやってほしい旨要望がでてきました。

簡単に試算してみたのですが初期費用だけでも億のお金が必要なことがわかりました。そのため、いろいろ考えた結果この仕事から手を引かせてもらうこととしました。

非常に簡単に書いていますが、実はスタートしてここまで約1年かかっているのです。そうこうしている間にスリランカ訪問も10回を超えるようになりました。