おはようございます。太田雄一です。第43回
「中国での成功と限界」
その後やはり信頼できる李博士の友人と河北、遼寧、山東、黒竜江省・浙江、河南、福建、甘粛、陝西、四川、など18ヶ所に展示実験センターを作りました。
この噂を聞いてベトナム、カンボジア、タイ、スリランカ、農業の先輩であるモンゴルから教えてほしい、このシステムを売ってほしいという引き合いがたくさん入ることとなりました。
中国から海外に出す上で必要なのは装置もシステムも中国製ということです。そのため技術の移管作業に入りました。私たちの技術を李博士の会社に移すという作業です。
そして、具体的に作業に入ったのですが、中国で調達出来る部品が少なく国産化比率は30%以下にしかなりませんでした。
また、技術者を3人用意し彼らに技術を移管することとなったのですが、その中国人の技術者は全く覚えようとしないのです。1人は北京大学を卒業しているのですが、一日パソコンの前でアルバイトしているような有様です。
そのため、2週間でこの作業を諦めました。
端で見ていますと中国人の男は余り働きません。その代わり女性は一生懸命働くのです。それと100人に1人の割合で優秀な男がいるのです。日本人よりはるかに優秀ですし勤勉です。
中国という国はこうした人で成り立っているのだということを初めて知りました。
李博士の周りの人は男女を問わず皆優秀だったので一般の人の能力を過大評価していたようです。
そんなことをしていると、日本からすぐ帰ってきてくれとの連絡が入りました。