おはようございます。太田雄一です。第31回

「日本からの脱出」

恐ろしい目にあった数日後、私は中国行きの飛行機の中にいました。HISに申し込み、それまで行ったこともない上海に行こうと決心し飛行機に乗ったのです。

上海行きの飛行機に乗る

しかし上海に知ってる人は一人もおらず、観光旅行にもなりませんでした。

出来立ての展示用機械をカバンに入れ上海に行ったとしても、何もしないで帰ってくるというのがせいぜいだったのです。

しかし、日本で脅され日本でこれ以上テストや販売活動を続けた場合、何が起こるかは予測がつきます。私にとっては最悪の結果になってしまう。そう考えました。

最悪の結果になる前に日本から出る決意をする

2泊3日の上海の旅の唯一の成果は、ホテルで偶然会ったポルトガル人に説明ができたことぐらいでした。彼らは観光で上海に来ていた人たちでホテルの喫茶室で一緒にお茶を飲んだだけでした。そのついでに機械の説明、これから起きることの説明をしたのです。

私は自衛隊在職中ポルトガル語を約10か月自衛隊の語学学校で習いました。マンツーマン教育でしたので普通の日常会話や少し込み入った説明ぐらいはできるようになっていたのですが、何も関係のない観光客にこんな話をしてもなんの結果ももたらしません。さぞかし相手は面食らったのではないかと思います。

そうして日本に帰ってきましたが、それからの私の行動は意外にも早かったのです。