おはようございます。太田雄一です。第24回
「内視鏡洗浄機開発の成功と挫折」
毎日朝早くから夜遅くまで、時には何日も徹夜をするなどして、やっと納期にたどり着き実験機として10台の機械を作り上げました。
それを10か所の病院に入れ実際のテストにかけ不具合、改良点などを見つけ出す作業に入るのです。約3か月様々な改良点が見つかり手直しをしたのち80台の生産に入りました。
この新しい内視鏡洗浄機は今までの洗浄法を根底から変える画期的なものでしたのでこの80台はあっという間に病院に売れました。
ところが同時期に内視鏡メーカーOが過酢酸を用いた洗浄機を出した時期にかさなり、突然の制約を受けることとなったのです。このメーカーは世界の内視鏡の80%を占める業界第一のメーカーでもありました。
その制約とは酸性、アルカリ性の水を別々に排水してはならないという国からのお達しでした。そうなると一度どこかに集めなければならないということとなり、もう一つ設備が必要になるということとなります。
一回の排水量は10リッターですのでトータル40リッターの容器が必要になります。そんな余分なスペースは病院内にはありません。また、新たな設備を用意すると何百万もかかります。どうするかを医療器会社といろいろと相談したのですが全く方法が見つからず、最終的に断念しなければならなくなってしまいました。